我が国の公害第一号の現場(近代化の功罪) [Photo]
田中正造氏の活躍を知ったのは、小学生の頃の教科書だったと記憶しています。
今回の記事は、その氏の活躍で有名なトコロです。
見事な紅葉や温泉など、自然の宝庫で有名な中禅寺湖周辺とは、山一つ隔てたところにあるその地へ、およそ二十年ぶりに訪れてみました。
いきなりですが、超巨大砂防ダムからご覧下さい
砂防ダムを中心とした、あかがね親水公園(資料館や軽食が可能な喫茶施設もあり)のようす
遊歩道途中の堤体レベルからの眺め(山肌に注目!)
山肌は砂防・植林工事が続いています
ココは足尾ダム
(右端と中央の山塊の間に、天候がよければ男体山が見えるところ)
三つの沢が合流する地点に作られた砂防ダムで、土砂災害を防いでいます。
駐車場は観光バスまでやってくるほどの賑わいをみせています
この辺り一帯は、足尾銅山の製錬所から排出された亜硫酸ガスを含む大量の煙と山火事により、現在も広範囲にハゲ山が広がっています。有名な足尾鉱毒事件として既に世に知れ渡っていますが、近代日本の発展の代償として自然を壊滅させ、人々の生命や財産を奪ってしまったこの地は、長年の土壌改良や砂防工事、植林活動などをあざ笑うかのように、現在もなお荒廃な景色を見せつけています。
久しぶりにこの地へ来てみたのですが、山肌にうっすらと緑(木々というより草レベルか?)が確認できるものの、基本的にハゲ山であることにはなんら変わることのないその様に改めて衝撃を受けました。
一度失ってしまった自然を復活させることが、いかに困難なのかということをまざまざと見せつけられます。繰り返しますが、日光の自然と隣り合わせの景色がこのハゲ山なのです。
それでは、足尾ダムから渡良瀬川を下流方向へと進み、銅山の遺構らしき佇まいをたどってみることにしましょう。
愛宕下に残る、防火壁と思われるレンガ塀
黒いレンガは"カラミ"と呼ばれる、銅を製錬した時の不純物を固めたものを型に流し込めて作ったものだそうです。
精練所跡は巨大な廃虚のようですが、鉱毒事件原因企業は現在の古河機械金属社の足尾事業所や足尾製錬社の敷地となっておりますので、当然立ち入ることは不可能です。
渡良瀬川に掛かる「古河橋」はドイツ・ハーコート社製、木製の床なので渡るのには勇気がいる
使用されていない鉄橋も、そのまま残っています
徒歩で昇れるようで、写真を撮っている二人組もいらっしゃいました。この二人組以外にも、我々のように車で移動しては写真撮影をしている人々が沢山いらっしゃいました。
このことからも、既に文化庁に提出済みのとおり、足尾銅山は負の世界遺産として登録・認定される価値があるのではないでしょうか?
深沢付近で見かけたレンガ塀(これも防火壁だったのでしょうか?)
間藤水力発電所跡地の遺構
上記の古河橋もそうですが、この水力発電所や削岩機の導入(シーメンス社)など、ドイツからの技術導入により、当時アジア最大の銅山にまで発展することができたようです。
わたらせ渓谷鉄道間藤駅に近い、廃線鉄道橋
間藤駅で発車を待つ桐生行きの列車(もっとまめに洗車してほしい感じ)
間藤駅近くのレンガ遺構(用途不明)
足尾銅山の遺構巡り、まだまだ沢山見どころがあるようです。
間違いなく改めて訪れることになるでしょう?
・・・あれ?
トロッコにも乗れる坑内探検観光をしませんでしたね(+_+)*\バキ
今回の記事は、その氏の活躍で有名なトコロです。
見事な紅葉や温泉など、自然の宝庫で有名な中禅寺湖周辺とは、山一つ隔てたところにあるその地へ、およそ二十年ぶりに訪れてみました。
いきなりですが、超巨大砂防ダムからご覧下さい
砂防ダムを中心とした、あかがね親水公園(資料館や軽食が可能な喫茶施設もあり)のようす
遊歩道途中の堤体レベルからの眺め(山肌に注目!)
山肌は砂防・植林工事が続いています
ココは足尾ダム
(右端と中央の山塊の間に、天候がよければ男体山が見えるところ)
三つの沢が合流する地点に作られた砂防ダムで、土砂災害を防いでいます。
駐車場は観光バスまでやってくるほどの賑わいをみせています
この辺り一帯は、足尾銅山の製錬所から排出された亜硫酸ガスを含む大量の煙と山火事により、現在も広範囲にハゲ山が広がっています。有名な足尾鉱毒事件として既に世に知れ渡っていますが、近代日本の発展の代償として自然を壊滅させ、人々の生命や財産を奪ってしまったこの地は、長年の土壌改良や砂防工事、植林活動などをあざ笑うかのように、現在もなお荒廃な景色を見せつけています。
久しぶりにこの地へ来てみたのですが、山肌にうっすらと緑(木々というより草レベルか?)が確認できるものの、基本的にハゲ山であることにはなんら変わることのないその様に改めて衝撃を受けました。
一度失ってしまった自然を復活させることが、いかに困難なのかということをまざまざと見せつけられます。繰り返しますが、日光の自然と隣り合わせの景色がこのハゲ山なのです。
それでは、足尾ダムから渡良瀬川を下流方向へと進み、銅山の遺構らしき佇まいをたどってみることにしましょう。
愛宕下に残る、防火壁と思われるレンガ塀
黒いレンガは"カラミ"と呼ばれる、銅を製錬した時の不純物を固めたものを型に流し込めて作ったものだそうです。
精練所跡は巨大な廃虚のようですが、鉱毒事件原因企業は現在の古河機械金属社の足尾事業所や足尾製錬社の敷地となっておりますので、当然立ち入ることは不可能です。
渡良瀬川に掛かる「古河橋」はドイツ・ハーコート社製、木製の床なので渡るのには勇気がいる
使用されていない鉄橋も、そのまま残っています
徒歩で昇れるようで、写真を撮っている二人組もいらっしゃいました。この二人組以外にも、我々のように車で移動しては写真撮影をしている人々が沢山いらっしゃいました。
このことからも、既に文化庁に提出済みのとおり、足尾銅山は負の世界遺産として登録・認定される価値があるのではないでしょうか?
深沢付近で見かけたレンガ塀(これも防火壁だったのでしょうか?)
間藤水力発電所跡地の遺構
上記の古河橋もそうですが、この水力発電所や削岩機の導入(シーメンス社)など、ドイツからの技術導入により、当時アジア最大の銅山にまで発展することができたようです。
わたらせ渓谷鉄道間藤駅に近い、廃線鉄道橋
間藤駅で発車を待つ桐生行きの列車(もっとまめに洗車してほしい感じ)
間藤駅近くのレンガ遺構(用途不明)
足尾銅山の遺構巡り、まだまだ沢山見どころがあるようです。
間違いなく改めて訪れることになるでしょう?
・・・あれ?
トロッコにも乗れる坑内探検観光をしませんでしたね(+_+)*\バキ
名前は聞いた事があります
なんか、、、金田一シリーズにでも出てきそうな所ですね^^;
by emuzu (2009-10-17 16:06)
愛媛の別子銅山跡も観光地になっています。
by SilverMac (2009-10-17 17:17)
100年以上経っているのでしょ、今だに木が生えないでガレ場状態ですね。
田中正造は立派な本当の政治家ですね。
足尾銅山、高速が無料になったら行く予定です。
by せつこ (2009-10-17 19:02)
負の遺産もしっかり残して後世に伝える必要がありますね。
by しおつ (2009-10-17 19:31)
中禅寺湖スカイラインの終点、半月山駐車場から見る足尾の方面は
いように見えます。
by CARRERA (2009-10-17 20:41)
emuzuさん、
ちょっと昔のニッポンの出来事です!
思い出していただきましたら、加藤武風に
「よし、わかった!」でお願いします(^_-)
by an-kazu (2009-10-17 21:13)
SilverMacさん、
東西の代表的な銅山ですね。
by an-kazu (2009-10-17 21:15)
せつこさん、
山に木が戻るのが早いか、
足尾ダムが満砂になるのが早いか・・・(多分後者ですね)
by an-kazu (2009-10-17 21:18)
しおつさん、
煙害、山火事、土砂災害、洪水、鉱毒汚染、・・・
発展の代償はあまりに大きく、今なお負債を抱えているところです。
by an-kazu (2009-10-17 21:22)
CARRERAさん、
前回記事にも載せましたが、
ぎょっ!とする異様さですよね(@_@)
by an-kazu (2009-10-17 21:26)
紅葉とは真逆の風景ですよね。。
by ゴーパ1号 (2009-10-17 21:54)
廃墟マニアの聖地のようになっていませんか?
そういえば、息子も小学校の時、日光と抱き合わせで行ったと思います。
間逆な場所ですよね~。
by こぎん (2009-10-18 08:27)
足尾銅山だったんですか。いまだに自然が戻らない禿山とは。。。
こういう負の面もしっかり後世に伝える必要がありますね。
#砂防ダムになんか絵が書いてあるんですか?
by さといも野郎 (2009-10-18 08:36)
ゴーパ1号さん、
ココでは紅葉する木々が生えていませんからね(>_<)
by an-kazu (2009-10-18 09:54)
こぎん さん、
聖地・・・、
なるほど関東ではトップクラスかもしれません!
by an-kazu (2009-10-18 09:55)
さといも野郎さん、
ニホンカモシカが描かれています。
我が国最大の陶器壁画だそうで、足尾焼2,000枚による25m×15mの堂々たる大きさです(^^)v
堰堤前の斜張橋の欄干にも、カモシカが装飾されています。
こんな風景ではありますが、カモシカや猿が住み着いているところなのです。
by an-kazu (2009-10-18 10:02)
同じく授業で知った事件です。
日光の隣なんですね。自然破壊、恐ろしいことです。
>負の世界遺産
良い考えと思います。
by とり (2009-10-18 19:59)
とりさん、
アウシュビッツや原爆ドームに匹敵するかどうかはわかりませんが、
忘れてはならない人類の記憶です。
by an-kazu (2009-10-18 21:35)
あの、、、一文字美心(いちもんじびしん)ですが
キヤノンの5D markⅡのCMを撮ってるプロカメラマンの方が
十文字美信(じゅうもんじびしん)さんといいます
ブログのタイトルが漢字一文字なので
一文字美心とかけちゃいました\(^_-)-☆
by emuzu (2009-10-19 12:14)
車で何度か通ってますが、
渡良瀬川の下流の茨城にも大きな被害がありました。。。
by 袋田の住職 (2009-10-19 21:47)
ぬあ~~!
これずっと行って見たいと思ってる場所なんですよ。
やはり鉱山と公害はセットになるのは何処も一緒ですね。
まだ企業が入ってて自由に見れないようですけど
これだけ見て回るポントがあれば十分でしょう!
後は穴ポコかな?
by 響 (2009-10-20 11:14)
過去の過ちも、教訓として未来に託す事が出来ますね。
でないと、忘れ去られてしまいますね。
by たいへー (2009-10-20 18:07)
emuzuさん、
調べてもわからないワケだ、
ありがとうございました(^_^;)
by an-kazu (2009-10-20 22:15)
袋田の住職さん
渡良瀬遊水池の完成により、
現在はある程度の不安は解消されていますが、
沈殿された銅の存在は、今なお確認できるとか(・・;)
by an-kazu (2009-10-20 22:22)
響さん、
山間(暗くなるのが早い)であり、かつ宿泊施設への移動のため、半日だけでは不十分でした。
じっくり見てまわるのであれば、ここだけで一日以上必要かもしれませんね(^_^;)
by an-kazu (2009-10-20 22:32)
たいへーさん、
原因企業のWebサイトでは、環境への取り組みをアピールしていますが、過去を封印しているような印象なのが残念です。
by an-kazu (2009-10-20 22:38)